日本の歴史から学ぶ、日本人の精神性

実質賃金は4年連続の減少なのに、なぜプチぜいたく品が売れるのか?

プチぜいたく品

加納聖士です。

何となく景気はよくなっていると言われているようですが、本当に景気は良くなっているのでしょうか?

2015年4月1日に、日銀短観が発表した景気回復調査では、総じて“景気の回復は鈍っている”というものでした。

しかし私たちの所得の伸びがそれほどでもないのに、一方で身近な商品で「プレミアム」と名付けられた高めの商品がよく売れています。
俗にいう手に届くぜいたく商品です。

今回はなぜ所得が伸びていないのにこれら高級商品が売れているのかという顧客心理について分析していきたいと思います。

プチぜいたく品はセブンイレブンからはじまった

デフレ経済が続くなか、最初にプチぜいたく品を出してきたのがセブンイレブンです。
今では商品者に十分認知されたセブンプレミアムは2007年に販売以来、売れに売れまくっています。

その真骨頂は2013年に販売した「金の食パン」です。

プチぜいたく品1

金の食パンは、2013年の発売当時、1斤6枚入りで250円、ハーフ厚切り2枚入りで125円と、ほかのPB商品と比較して実に約2倍、一般のナショナルブランド(NB)商品よりも高価格でしたが、発売から5カ月足らずで累計販売数量が1500万食に達するという大フィーバーを巻き起こしました。

このセブンイレブンの成功をマネた他企業も2010年以降、「手に届くぜいたく商品」を数多くリリースしてきました。

▼プレミアムモルツ
▼プレミアムロールケーキ
ポッキー「大人のミルク」
プレミアムロイヤルホスト、などです。

給料が増えたなら、高めの商品やサービスを求めるのは理解できますが、私たちの懐があたたかくなっていないのになぜ急に高価格商品が売れるようになったのでしょうか?

実質賃金は4年連続減少している

国税庁の民間給与における実態総計の調査では2003年の平均給与は443万円に対して、2013年は413万円と10年間で30万円、日本人の平均年収が少なくなりました。
じつに6.8ポイント減です。

14年度の厚労省の調査では給与総額は平均で前年度比0.5%増の31万5984円となり、4年ぶりにプラスに転じたとありましたが、昨年4月の消費増税による物価の伸びには届かず、実質賃金は4年連続の減少となりました。

こんな状態なのに、なぜプチぜいたく品が売れているのでしょうか?

これは消費者の価値観か少しずつ変わってきているからです。

たとえばこんな数字があります。

野村総合研究所が3年に一度行う「生活者1万人アンケート調査」によりますと、「とにかく安くて経済的なものを買う」と答えた人が2000年調査では50.2%だったのに対して、直近2012年では41.2%まで下がりました。

野村総合研究所

同様に「多少値段が高くても、品質の良いものを買う」と答えた消費者は40.0%から46.4%上昇し、さらに「自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ」人が22.9%から36.9%まで増えたのです。

つまりただ安いものを購入するのではなく、「品質重視」「ライフスタイルへのこだわり」「安全性重視」に対するニーズがここ10年でうなぎ上りに増えているのです。

インターネットの普及によって消費者はさらに賢くなった

さらにこんな面白い調査結果もあります。

商品を購入する際に事前に情報収集してから買うと答えた人が22.3%から33.1%と10%増えました。

そして使っている人の評判が気になると答えた人は13.6%から29.0%とこちらは15%増えているのです。

この数字は何を意味するのでしょうか?

これは消費者の情報の感度が高くなってきている証拠なのです。

価格

たとえばコンピューター・ソフトウェア会社であるアドビ システムズは、企業のWebサイトなどのデジタルメディアが消費者の購買行動にどのような影響を与えているかに関する調査結果を発表しました。

これによりますと、テレビや新聞、雑誌を見て気になった商品情報をWebサイトで調べる消費者は10人中9人、店頭で気になった商品をパソコンやスマホで調べる消費者が10人中5人、Webサイトが期待に応えていない場合に商品の購入や情報収集を中断してしまう消費者が10人中6人いることが判明したのです。

つまり商品を認知してから、それを検討、購入の判断に至るまでのそれぞれの場面において、デジタルメディアが消費者の購買行動に大きく影響を及ぼしているのです。

プチぜいたく品2

今の時代はネットでレビューを見れば商品の評判はわかります。

つまり今の消費者は給料が増えないからこそ“安物買いの銭失い”を深層心理で避けようとしているのです。

もし買った商品が期待通りでなかったら、改めて他の商品を買わなくてはなりません。

しかしそんなお金はないのです。
だから買い物で失敗するわけにはいかないのです。

だからこそ、少しくらい高くても失敗しない商品を手にしたいという心理が働くのです。

高齢社会の進展も少し高めの消費行動をもたらしている

あともう一つ高齢社会の進展も少し高めの消費行動をもたらしています。

下記の2015年の人口ピラミッドを見ても分かるように、一番人口が多いのは67歳で二番目が68歳です。

人口ピラミッド

このシニア層の傾向は、たくさん食べることはできませんが、少量でも鮮度が良かったり、良質な素材を使ったりした安全なモノを食べたいという欲求があります。

そもそも人口ピラミッドを見てもわかるかと思いますが、男女をあわせた70歳以上の人口は、人口減少社会の中にあっても2050年までは増え続けると言われています。

その中で女性の占める割合は大きくなっていきます。

70代の8割は日常生活を送るのに支障のない健康状態であり、経済的には住宅費や教育費の負担から解放されています。
尚かつ貯蓄のある世代が年金生活をはじめています。

ですからあるスーパーマーケットの調査によりますと、食生活では一番高い肉を買っているのが70代だと言います。

和食ばかりではなく、洋食も中華も食べる。
コロッケ、カツレツ、ハンバーグなどの1人当たり支出金額もこの世代が一番なのです。

つまりセブンイレブンの「金の食パン」は、まさにこの層を意識した商品開発だったのです。

70代はいろんな意味で選択的にお金を使う世代であり、安い買い物の仕方も知っています。
一方で、濃密なコミュニケーションを提供すれば高い商品が売れる層でもあるのです。

まとめ

消費税が8%に増税後、消費者の中では超メリハリ消費の傾向が強まりつつあります。

日用品は特売や一掃セールなどでとことんまで切り詰めますが、友人や家族へのプレゼントなどハレの日には贅沢をします。
極端な二極化です。

また、自分へのご褒美としてちょっと良いものを食べたり、購入したりするプチ贅沢も増えています。

普段切り詰めた生活を強いられている分、たまの贅沢はストレス解消にもなります。
とは言っても贅沢のポイントは『頑張ればなんとか手が届くレベル』です。

プチぜいたく品3

不況や増税で消費者も節約疲れが溜まっていますので、プチ贅沢は現代人の息抜きでもあるのです。

企業側もそのニーズを読んでいますので、超高級品ではなく、普段食べているもの、使っているものよりも数百円~数千円高めの商品(具体的には通常の1.7倍)を打ち出すなど、プチ贅沢志向が浸透しつつあります。

さらに高齢者のほかにも、昨今の生涯未婚率の上昇も深く関係しているはずです。

2019年以降、日本で唯一増加する家族形態はひとり世帯だけです。

これに対応して少人数用に1袋の個数や量は減らせば、それだけで売上は下がります。
だからこそ生き残りの術になるのが『付加価値を付けて高級路線にシフトして利益率を維持する』というやり方なのです。

これらを総合しますと、今後さらにジャンルを問わず、プチ贅沢志向は広がっていくはずです。
皆さんのビジネスにもぜひ手に届くぜいたく商品を導入してみましょう。

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